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仁徳天皇陵(大仙古墳)のお堀(周濠)は3重になっていて、地上からは1番外のお堀しか確認できませんが、お堀に蓄えられている多くの水は雨水がたまっているわけではありません。
実は、仁徳天皇陵(大仙古墳)のお堀に向けて、水路が整備され、定期的に水がひかれているんです。
お堀の水が枯れずあふれず、汚れずにくあるのは、緻密なシステムがあるというんです。
記事の後半では、実際に足を運んで見てきた水路を紹介しますので、楽しみにして下さい。
どっから来ているの?
南海高野線「百舌鳥八幡駅」北側にあるイズミヤに南接している向陵公園に大きな池があります。その池は芦ヶ池と言いますが、ここから水をひいています。
いやー、びっくりです。
この池が仁徳天皇陵(大仙古墳)のお堀の水になっていたんですね。
ちなみにこの池には、古墳みたいな丘があります。Googleマップでは「感謝古墳」となっていますが、調べてみるとどうも古墳ではなさそうです。
芦ヶ池は、2基の井戸より地下250mからくみ上げられた水が貯水され、仁徳天皇陵(大仙古墳)まで総距離1.4kmにもなる芦ヶ池水路を通り供給されています。
どれだけの量が供給されてる?
先日行われた宮内庁の調査仁徳天皇陵(大山古墳)の最も内側の周濠の水量が推定で約34万1000立方メートルになることが分かりました。数字がでかすぎてどれほどの量かイメージがわきませんので、プールで例えてみます。
な、な、なんと標準的な25メートルプール約700杯分に相当します。
お堀(周濠)は3つありますので全ての水量はいったいどれくらいになるのでしょうか。
25メートルプール、2,000杯くらいになるのでしょうか。
とまあ、凄い量なのですが、仁徳天皇陵(大仙古墳)のお堀の水を枯らさず汚さなため、芦ヶ池から毎日2,500立方メートルの水が供給されているそうです。
ルート
こちららが、堺市より公表されている芦ヶ池水路のルートです。
では、1.4kmの小旅行に行ってみましょう。
こちらがスタート地点。芦ヶ池です。晴れていると結構絵になります。
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この池の西側に2基、ポンプ式の井戸が隣接し水がくみ上げられています。確かに耳をすますと水が流れる音がしています。
南側の井戸。
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北側の井戸。
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こちらの出口から仁徳天皇陵まで水が流れていくんですね。
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公園を北上して、西に水路が折れます。格子状の蓋がありますね。
ちなみにこれ正式名はグレーチングと言います。この大きなグレーチングの下を水が流れています。
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すると高校が見えてきます。堺市立堺高等学校です。
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なにやら、この水路に関する取り組みを行っているようです。
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そして、謎が解けました。なぜ堺高等学校の北側の溝がこんなにオシャレになっているのか。芦ヶ池水路ということで特別な水路だったからですね。
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憩いのベンチもあります。
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お洒落な水路もここでおしまい。
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なにげない道路沿いの溝も大切な水路の一部です。
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この大きな格子状の蓋。グレーチング。
そう、この下に水路があるんですね。
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すると、JR阪和線の線路にぶつかります。なんと、水路は空中を通り横切っています。
その姿がこちら。水路の真下はJR三国ヶ丘駅です。
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確かに、三国ヶ丘駅を利用するときに、あの円柱はなんだろうと、かすかに気にはなっていましたが、そういうことだったんですね。
よく見ると、仁徳天皇陵まで、と書いていますね。
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そして、南海高野線の地下を通り、一番外のお堀(周濠)へと、芦ヶ池の水が注がれます。
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1.4kmの小旅行はここでおしまいです。
これから世界遺産登録に向けて超重要な仁徳天皇陵(大仙古墳)のお堀の水を綺麗に保っている大切な水路のお話でした。
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