堺の住宅地に突然立派な「洋館」が!! この洋館の謎をひもといてみた。



堺市は中百舌鳥近辺の住宅地に、周りの家とは明確に一線を画す、建物があります。
それは、4階建ての、ヨーロッパの古城をほうふつとさせる洋館です。




ただでさえ目立つのに、建物に近づくと「是枝医院」と書いています。病院なの?この建物とダブルで頭が混乱します。


お城の病院??

自転車でたまたまこの洋館の近くを通過して存在に気付いたのですが、見れば見るほど立派な建物に見えてきます。

とっても気になるので、この建物について調べて見ました。

誰がいつ建てたの?

もともとドイツの絵葉書のコレクションを趣味にしていた是枝医師が、自分の病院も洋館にしたいと強くおもい、素人ながら設計士、患者だった宮大工に協力してもらい、3年かけて完成させました。
完成は昭和6年・1931年です。

一見、石を多用しているように見受けられますが、建物自体は木造だそうです。
外面には純粋な石ではなく、擬石が貼り付けられています。

なんでこんな住宅街に建っているの?

今でこそ住宅街に、空気をよまずに建っているように見えるかもしれません。
しかし、よく考えてみてください。この洋館が建築されたのは、1931年です。この当時このあたりは住宅だらけだったでしょうか?

建設時の写真が「目で見る堺市の100年」にありました。


めっちゃおしゃれじゃないですか。まるで西洋。静かな湖畔に建つお城というイメージにぴったしです。

池の名前は、湘賀池というそうで、昭和42年頃に埋め立てがされて、今のように住宅地に姿を変えました。

想像してみてください。昭和6年といえば戦前です。

そういった時代に湖畔に立つ様式の建物。さぞかし異様に見えたかもしれません。
とても貴重な建物です

実はこの洋館、登録有形文化財なのです。


昭和6年からその姿を残すこの洋館は、素人の設計とはいえ、とても貴重なものです。
洋館が立つ場所の様相は大きく変わりましたが、建物自体がもつ存在感は今もとてもすさまじいものがあります。
2002年2月14日に、登録有形文化財に登録されました。

場所
大阪府堺市北区百舌鳥梅北町4-185
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